皆さん、最近音楽をどのように聴くでしょうか。私はAmazon musicの使い勝手がとても良いのでほとんどAmazon music、つまり近年流行りの音楽ストリーミングサービスを使って音楽を聴いています。
昔はTSUTAYAに行き、CDを借り、パソコンにインストールして、ウォークマンに入れていたなと思うと、技術の進歩ってすごいなと痛感します。
そんな中、TSUTAYAって今儲かってるの?とふと気になりました。音楽ストリーミングサービス台頭による影響はあるのかないのか、今回はTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以降CCCと表記)の現状について調べてみました。
すると右肩下がりであるレンタル事業から面白い事業転換をしていることがわかったので今回は現在CCCがとっている事業戦略についてご紹介したいと思います。
CCCを取り巻く状況
具体的なCCCの経営戦略を見る前に、CCCを取り巻く市場状況について調べてみました。
レンタル市場の現状
まずレンタル市場について。日本レコード協会によると、レンタル市場は2007年の3600億円から2016年には1800億です。つまり、市場は約10年で半分の規模まで縮小しているのです。
音楽ストリーミングサービスの台頭
なぜここまでレンタル市場が落ち込んでいるのでしょうか。Spotifyに代表される音楽ストリーミングサービスの普及が大きな要因でしょう。
音楽ストリーミングサービスの市場も調べてみました。下記のグラフは日本音楽レコード協会が発表したものです。
2013年以降、ストリーミングサービスは順調に右肩上がりで売上を伸ばしてることがわかります。確かに一度ストリーミングサービスを利用すると、とても便利などでもう一度レンタルCDで音楽を聞こうとはならないかもしれません。実質、私はならないと思います。
CCCの経営戦略
では、次にCCCの特徴ある3つの経営戦略についてご紹介いたします。
ライフスタイルを提案する企画会社へ
CCCの創業者である増田社長は「CCCはTSUTAYAなどのレンタル会社ではなく、企画会社です」と言っています。これはどういうことか。
この前二子玉川に言った時、TSUTAYA家電という見慣れない店舗があったので入ってみたら、家電や家具、そして本などに囲まれ、さらにスタバも入っており、非日常の空間を体験しました。
つまり、空間をデザインすることで人々のライフスタイルを豊かにするというのがコンセプトと言えるのではないでしょうか。代官山にあるTSUTAYAはその良い例だと思います。
出版企業を買収し、出版業に力を入れる
CCCは中堅出版社の主婦の友社(東京・文京)を買収する方針を固めました。これはつまり、書店事業の拡大を戦略として掲げていることは推測されます。
しかし、Amazonの台頭で本屋は年々町から消え、出版業界は不況に喘いでいます。CCCは空間デザインと本をいかに結びつけることができるのかがAmazonに太刀打ちするために考えるべきことかもしれません。
Tカードによる収益
現在CCCの大きな収益源となっているのが、「Tポイント」から得られるシステム使用料です。Tポイントから得られる顧客のデータを自社のマーケティングに活用する企業は約170社で、CRM(顧客管理システム)のトレンドにうまく乗った戦略だったと言えると思います。
なぜCRMがトレンドになったかというとここでは詳しい説明は割愛しますが、製品のコモディティー化が進んだことや消費者の行動パターンが多様化したことにより、顧客の理解がより一層必要になったからだと推測します。
おわりに
CCCが先の暗いレンタル事業からうまく企画の会社として転換したように、企業は常に変化を求められる時代に置いて、先を見据える先見性がもっとも必要なことなのかもしれませんね。